GOB Incubation Partners(以下、GOB)は企業コンサルティングと並行して、EIR(Entrepreneur in Residence、客員起業家制度)を取り入れた起業家(スタートアップ)の育成、インキュベーションを行っています。今回は、起業を考えている人やアイデアを持っている人に向けて、GOBが社内でどのようなインキュベーションプロセスをとっているかを紹介します。
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GOBで事業をつくるまでのステップ
GOBのインキュベーションの全体構造は次のようになっています。

GOBのもとで事業を育成する場合、最終的に事業部化を目指すことになる
GOBでは、起業家が持ち込んだ事業アイデアを一定のプロセスを経たのち「事業部化」して育成を行っていきます。
以下で、そのプロセスをご説明します。
1.メンタリング等で事業の解像度を高める
まずは、いま考えているアイデアを具体的に事業としての形にまで落とし込む必要があります。そのためのサポートとして、GOBでは不定期でのメンタリングやその他事業相談の機会を提供します。
これらと並行して、2〜3ヶ月程度の期間で、プロトタイピングやマーケットリサーチ、ユーザーインタビューなどを行い、アイデアの価値検証を行っていきます。
2.プロトタイピング費用のサポート
また、GOBでは希望者に対して最大20万円のプロトタイピング費用をサポートしています。
費用サポートにあたっては、
の3点を提出してもらい、審査を行います。
3.事業部化に向けたプレゼンテーション
上のようなプロセスを経たのち、プレゼンテーションを行ってもらい、GOBのボードメンバーが事業部化の可否を審査します。
ここでは、主に以下の項目をプレゼン頂きます。

事業部化に向けてプレゼンテーションしてもらいたい内容
なお、審査は大きく4つの観点から行います。

事業部化プレゼンでの審査基準
0.生活者を豊かにするか/社会性と経済性の両立を追求しているか
まずは前提として、GOBが掲げる理念に合致する事業であるかどうかを判断します。
1.ビジネスとして立ち上がるか
事業アイデアの背景にある志や想いは大切ですが、同時に「ビジネスとして成立しうるか」が必須条件となります。この点は、プレゼンまでの価値検証期間での結果報告をもとに判断します。
2.ファイナンス
GOBに入社し、その中で事業を育成する場合、同時にGOBが受注しているクライアントワーク(事業開発コンサルティング)にも携わってもらいます。それら案件へのコミットに応じて、案件報酬の一部を各事業部へ按分します。
ここでは、予め提出してもらった2年間の事業予算計画をもとに、事業を推進するために必要な予算がその案件報酬の範囲内に収まるかどうかを見ます。
3.やり切れる能力と志を持っているか
アメリカの心理学研究者アンジェラ・ダックタースは著書の中で成功者に共通する要素として、GRIT(グリット、やり抜く力)が大切だと指摘しています。
プレゼンまでの事業への取り組みから、起業家本人の事業へかける志の強さを見ます。
以上が、事業部化までの流れです。事業アイデアを持った方で、GOB内での事業育成に興味を持っている方は是非参考にしてください。
なお、事業部化後は、大型の資金調達など、事業規模拡大のための基盤が整ったタイミングで法人を設立し、スピンアウトすることになります。より詳細な話を聞きたいという方は、ウェブサイトからお問い合わせください。多くの方のチャレンジを募集しています。