肩こりだけで経済損失3兆円、ストレッチで健康経営を推進するCo-nect

Co-nect代表の中山友貴

超高齢化社会やそれに伴う医療費や保険料の増加、精神疾患の深刻化、スマホなどの普及から生じる身体の不調…..こうした変化は、直接的に企業経営にも大きな影響を与えます。

そこで叫ばれているのが「健康経営(従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること)」の考え方。経済産業省では日本再興戦略のひとつとして重視しています。

そんな企業の健康経営を「ボディメンテナンス」で推進するのが「Co-nect」です。代表の中山友貴(なかやま・ともたか)に、健康経営が求められる背景と、Co-nectの事業展開を聞きました。

企業の健康経営を支えるボディメンテナンスとは

中山友貴(以下、略):「Co-nect」は現在、BtoBとBtoCの両軸で事業を展開しています。

toC向けには、神楽坂の店舗で、トレーナーによるマンツーマンの「ボディメンテナンス」を提供しています。ボディメンテナンスは、「もみほぐし」「ストレッチ」「トレーニング」の3つのアプローチを組み合わせたもので、肩こりや腰痛の改善、姿勢矯正といった効果を期待できます。(動画は、Co-nect神楽坂でのボディメンテナンスの様子)

 

2019年7月ごろからは、toB向けにもボディメンテナンスの提供を開始します。トレーナーをオフィスに出張派遣して、主に週1回程度、会議室などでプログラムを実施します。就業時間内外に関わらず、1枠あたり20〜30分の時間枠をいくつか用意しておいて、肩こりや腰痛を抱えている社員が予約するといった形です。

 

企業向けのボディメンテナンスの様子

デスクワークによって疲れた肩や腰をもみほぐし、その時だけ楽になるのではなく、疲れにくく、コリにくい状態を維持できるように、トレーナーが「ストレッチ」「トレーニング」を通してマンツーマンでケアします。

肩こりだけで経済損失「3兆円」、いま健康経営が大切なワケ

多くの場合、企業が福利厚生としてボディメンテナンスを取り入れており、社員は無料で利用することができます。

特に最近は「健康経営」が流行っていることもあり、より積極的に取り組もうとする企業も増えていますね。

東京大学と日本臓器製薬の調査によると、腰痛や肩こりによる経済損失はそれぞれ国内だけで3兆円とも言われます。[1]https://www.asahi.com/articles/ASMBB5Q7GMBBPLBJ00D.html些細な身体の不調がどれだけ労働生産性を低下させているかよくわかるデータです。

 

Co-nectでは、症状に合わせて、トレーナーがさまざまなメニューを提案、上記は一例

また健康経営を推進することで、企業は保険料の圧迫を防ぐこともできます。最近だと、肩こりや腰痛が原因で保険料が高騰するケースも増えています。

さらにはメンタルヘルスの問題も。メンタルヘルスに対しては、問題が起きてから産業医の診断を受けて休職や時短勤務をするといった事後的な対策が一般的です。しかしうつ病の場合、復職後に約半数が5年以内に再発するとのデータ[2]厚生労働省の研究班の調査によると、うつ病で休職した社員のうち47.1%が5年以内に再発、再休職を取っていた。もあります。

改善につながらない理由のひとつに「0次予防」、つまり根本的、事前の対策が徹底できていないことが挙げられます。Co-nectのボディメンテナンスはまさに0次予防的なプログラムで、身体状態だけではなく、間接的にメンタルヘルスにも好影響を与えます。実際に、ボディメンテナンスの導入企業では、メンタルヘルスの問題が減ったというデータも出ています。

社員の集中力も向上、残業減にも効果

上でお話ししたように、企業がボディメンテナンスを取り入れるメリットは労働生産性の向上と、保険料の負担減です。

多くのサービスの中からCo-nectが選ばれる理由はこのふたつのメリットを同時に得られ、かつ導入のハードルが非常に低いことだと考えています。トレーナーの出張時間を決めるだけですぐにスタートできますから、特別な器具などを企業側で負担する必要はありません。

またある企業では、ボディメンテナンス利用者の、集中力継続時間が平均約5%向上しています。これにより残業時間が減るど、企業経営においてさまざまなメリットを受けることができます。

ボディメンテナンスの先、目指すは「第三の家族」で企業コミュニケーション活性化

ボディメンテナンスで企業の健康経営を推進することはもちろんですが、私たちCo-nectとしてはその先、企業内のコミュニケーションのハブを目指しています。「飲みニケーション」「タバコミュニケーション」も減っている今、社内でのコミュニケーションがミーティングでの会話くらいで終わっているようなケースはよくあるのではないでしょうか? もしかしたら同じオフィスで働く人の出身地すらわからないなんて人も多いかもしれません。

企業へ出張してボディメンテナンスを実施していると、初めは仕事の会話以外の会話をしなかった利用者同士の間で、自然と他愛のない会話が生まれる様子が見られます。これは意図的に、そういったプログラムづくりやトレーナーのファシリテーションスキルを育成しているためです。

Co-nectは入口価値(わかりやすい表面的な価値)として身体のケアを打ち出していますが、その奥で、本質価値(体験してみないとわからない深層価値)として、「バディのような対(つい)の関係性の構築」を提供したいと考えています。

私たちはこの関係性を「第三の家族」と呼んでいます。家族や友達とも違うそんな人と人との関係性を価値として提供したいです。生まれてから幼少期を過ごした「第一の家族」、青春時代を共にした仲間などを「第二の家族」と定義し、会社などで多くの時間を共に過ごしている人との関係性を「第三の家族」として捉え直しています。現代ではどうしても希薄化しやすいこの第三の家族のあり方を、Co-nectの事業を通して良いものにしていきたいです。

人との関係性やつながりを大切にしたくてこの事業をやっているからこそ、メンバーがいてお客様がいるという今の状況を幸せに感じています。ただし、満足はしていません。19歳で事業を立ち上げてから5年が経ちました。Co-nectの事業をより広く届けることで、みんなが家族のような関係になれる社会を作るためにこれからも日々猛進していきます。

Co-nectの詳細はこちら>

References

References
1 https://www.asahi.com/articles/ASMBB5Q7GMBBPLBJ00D.html
2 厚生労働省の研究班の調査によると、うつ病で休職した社員のうち47.1%が5年以内に再発、再休職を取っていた。