今週やったこと
こんにちは。LocalQuestの高橋新汰です。
LocalQuestでは現在次の2つのサービスを展開していますが、将来的には企業の採用現場に携わる可能性があるため、その検証のために現在さまざまな企業にヒアリングをしています。
1. ボランティアの求人広告
「超短期(1日)」、「(お金ではなく)現物/体験報酬」を特徴とするボランティアの求人広告を掲載。人手不足に悩む地方の事業者と学生とのマッチングをサポートしている
2.企業向けのインターンシップコーディネート
自社の課題解決に、学生のアイデアや考え方を取り入れたいと考えている地方企業に対して、企業の課題解決を目的とした学生向けのインターンをコーディネートしている
今回は、2社へのヒアリングの内容を記録しました。
1:秋田に支店を持つ金融機関の採用担当者にヒアリング
地方の新卒採用の市場で、学生からよく名前が挙がる金融機関の1つにヒアリングを実施。
主に、「金融機関において何が経営課題なのか、それを採用によって解決できるのか」を探りました。
これ以降はその時のメモです。
- 金融機関全体としての経営課題
- お客さんの高齢化
- 休日は金融機関がお休みのため、平日働いている人との接点を持つのが難しく、現状では平日に時間が空いている高齢層にターゲットが限定されてしまっている
- 今後は他のターゲットにアプローチしていく方向性で考えている
- 新しいターゲットにアプローチするために
- Web化を進めている(背景に、ネット銀行が強いこと)
- Web化を進めていけるアイデアを持っている人がほしい
- 発信力をつけたい
- しかし、個人情報を扱っているため、動きを大きく変えにくい現状もある
- 採用課題
- 若者との接点が少ない
- 母数は問題ないが、希望の学生と接点が持てていない
- 金融機関側からアプローチできていない
- 銀行の仕事内容が知られていない(受付とノルマに追われる日々という悪いイメージがある)
- 支店も統廃合していくため採用数は減らしていく方向性
- 幹部候補人材に求めること
- 言葉にするのが難しい
- 主体的に動いてくれる人材
- 採用活動
- ウェブ面接
- 1dayインターン
- 金融機関の仕事を知ってもらいたい
- 長期のインターンもやりたいが、人手が足りないためできていない
- 採用した半分がインターン経験者
- 採用した人の傾向は2パターン
- 生保や証券会社、銀行など金融に興味ある
- 秋田に戻りたいから
- 採用において何が一番できてないのか?
- 採用広告、魅力発信
- 広告動画がなく、告知はマイナビやリクナビ、キャリタスといった採用プラットフォームに丸投げしている
- 手が回らず最低限しかできていない
- 企画と実行だけで、周知に力が回らない
- 発信のつまづき
- 予算はある、お金をかければ広告が打てる
- 広告宣伝費は半期ごとに予算与えられるが、採用1人あたりのコストは割り出せていない
- 全体に向けた広告でなく、ターゲットを絞りたい
- どういうことを発信すれば学生に響くのかわからない
- 予算はある、お金をかければ広告が打てる
- ターゲット
- 秋田県で働きたい人を採用したい!
- 東京に目が向いている人に秋田県に目を向けてもらう
- 県外から秋田に来てもらう
- 銀行に興味がなくても秋田に住みたいと思ってもらう
- 現状は絶対に来る層にしかアプローチできてない
- 秋田県で働きたい人を採用したい!
- 採用担当の本音
- インターンから採用に流れてほしい!!!!
- どれだけ採用に流れてもらえるのか
- 優秀すぎると社員ではなく、起業してしまうのではないかという不安
- 採用後の課題
- 特定職、総合職(転勤ありか、なしか)によってだいぶ違う
- 転勤なしだと離職率は低いが、転勤ありのコースは離職率が高い。総合職は4年で半数が離職する
- 教育は支店任せ
- 基本的にはできている
- OJTも変えていく予定。支店で人が足りない場合は本店がOJT専門の人を派遣する
ヒアリングをしてみて
大学生にも圧倒的な知名度を誇っているので、採用の“人数”に関してはまったく困っていなさそうだった。毎年、採用したい人数きっちり採れている様子。
課題は、人材の“質”の方にあるとおっしゃっていた。ただ、具体的にどういった人材がほしいか尋ねると、「主体性な学生」と抽象的な回答だった。ここら辺を今後もう少し探っていきたい。
採用の母数はあるし、エントリーもかなり来ていると思うので、採用課題の苦痛レベルはそこまで高くなさそう。採用課題よりも、新卒採用の質を上げることで、企業のどんな課題が解消できると考えているのかをヒアリングする必要がありそうだ。
2:土木会社の社長にヒアリング
過去にLocalQuestとして、インターンシップのコーディネートサービスのトライアルを実施した際に依頼をしてくれた土木会社の社長にヒアリングした。
主に、「大卒や中途など採用区分の違いをどう考えているのか」について聞いた。
以下はその時のメモ。
- 採用について
- 新卒、高卒は毎年3〜4名採れている
- ほとんどが高校生で、大学生は8年前に1人だけ
- 中途採用の応募は求人情報サイトの「じょぶる」からそこそこくる
- 毎年新卒を取る理由は?
- 中途だと定着しない
- 以前に中途ばかり採っていた時期があったが、そうするとその年代の層が辞めてごっそり抜け落ちてしまう。そのため、定期的に新卒、高卒の採用をして各年齢層に一定数の社員が定着するようにしたい
- 毎年高卒の採用ができている現状で、大卒は必要なのか?
- 大卒の方が視野が広いのでほしい
- やりたいことを見つけた上で来てほしい結構曖昧な答えだった)
- LocalQuestを利用する理由は?
- あくまで就業につなげるためにインターンを実施している
- 今は大学生にまったくリーチできておらず、イチからやると時間がかかるのでLocalQuestに任せたい
- ゆくゆく採用プロセスの一環となればいいなと思っている
ヒアリングをしてみて
中途ではなく、新卒や高卒を採用する理由はよくわかったが、高卒だけではなく大卒も採りたい理由はまだ明確に捉えられなかった。
LocalQuestはあくまで大学生中心なので、そこにコストをかけていただいているということは何かしら大卒に期待していることがあるはず……。そこら辺を探っていきたい。
まとめ
ヒアリングを実施してみて、「新卒と高卒の違いを企業がどう捉えているのか。そして大卒に何を期待しているのか」が新たな問いとして浮かび上がった。これを他の企業にもヒアリングして突き止めたい。
GOBメンター陣からのコメント
山口高弘さん
お客様が課題とおっしゃっておられることがどの程度の重度の課題なのか、「他を差し置いてでも解消しなければならないほどの痛みを伴うものかどうか」という強度を聞いてみよう。
起きている採用課題などは、自社の努力不足というだけでなく、業界の構造的な要因が背景にある場合が多いため、何が要因なのかという点について業界の視点でも迫ってみよう。
高岡泰仁さん
例えば、中途は定着しないが新卒は定着しやすいということだとすると、その違いは具体的にはどこにあるのか。また、新卒の中でも高卒と大卒ではどのように異なるのか。
採用する側と採用される側の各々の特徴を抑えるなどの顧客理解を徹底しつつ、そこに影響を与えている業界の問題を特定しよう。